「食」を通して多文化共生を考える

「ハンメの食卓」活用法

「ハンメの食卓」というレシピ本は、朝鮮半島出身者が数代に引き継がれて伝わった、日本で作るコリアン家庭料理の食文化の一例を紹介した料理本である。
家内が、その中にあるそば粉の「ム」に代えて、どんぐりの粉で「トトリム」を作ってくれた。材料と作り方は、この本のままだが、「トトリム」は、まぜるのに力がいるし骨がおれる。だが、出来上がったこげ茶色の弾力と実在感は視覚的に満足させるどころか、歯ざわりと舌に伝わる重量感が至福な興奮を与えてくれる。キムチを家庭で作る朝鮮半島本国の人は多いらしいが、「ム」を家庭で作る人は少ないらしい。とりわけ「トトリム」は、さらに少ないであろう。その「ム」のタレもお好みで、野菜、ねぎ、キムチなどを醤油や味醂の中にまぜ込んだものをかけて食すると満足そのものである。
因みに、家内が「ム」を作ったのはこれがはじめてであった。わたしも少し手伝いしたのであるが、たいそう楽しいひと時であった。
「ハンメの食卓」というレシピ本は、おいしい在日コリアン料理を始めて作ってみたい日本人・コリアンにとってはバイブルであり、必携本であると自信を持って言えます。60の惣菜・ヤンニムのレシピが含まれています。
今日は家内が、「牛スジのクンムル」を作ってくれるらしい。

千里馬歯科医院 徐国政

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